水素ガスの認証は、水素水に比べて容易ではありません。水素ガスの吸引法によって、必要な水素の量が異なることと、水素ガスの濃度が高すぎると燃焼の可能性があるからです。
しかし、水素ガスの吸引効果について、学術論文が増加してきたこと、使用する経験が蓄積してきたことから、水素ガス発生装置も認証の対象とするようにしました。
(根拠)必要な水素ガスの発生量と注意点
どのくらいの濃度の水素ガスを吸入すれば有効かを計算してみます。今まで、多くの動物研究と臨床研究で使われてきた有効水素濃度は、1.3〜4%です。私たちは、1分間に8リットルの空気を吸い、吐き出しています。吸う時間と吐く時間の比率は1:2です。つまり20秒間で空気を吸い、40秒間で吐き出します。医療用のガスマスクを使う場合は別に考える必要がありますが、鼻カニューレを使って水素ガスを吸入したいときは、20秒間で100%の水素ガスが100〜320 mL、1分間で300〜960 mLの水素ガスを吸入する必要になります。もちろん100%の水素ガスを直接吸入するわけではなく、吸入時には、空気も含めて吸入して、1.3〜4%になります。深呼吸をしながら、ゆっくり吸入した場合は、吸う時間と吐く時間の比率は1:1になりますので、吸う水素は多くなり、水素ガスの発生量は、3分の2、つまり200〜640 mLでよいという計算になります。また、高齢者の肺活量は低下してきますので、水素の発生量はもう少し少なくても良いことになります。
そのため、鼻カニューレを使った場合は、1分間に200 mL以上の水素ガスを発生する装置を認証します。ただし、200mL~300mLの装置の場合は、「ゆっくり吸入してください」と記載すること。
希釈した水素ガスを吸入する場合には、比例計算して、必要発生量を計算してください。
(水素ガスの純度)
水素ガスの純度については、精製水を電気分解する場合には、問題なしとし、そのほかの方法を用いる場合は、別途、純度についてのレポートを出していただきます。
(安全性)
水素は、4%以上では燃焼の可能性がありますので、多すぎれば多いほど良いというわけではありません。鼻カニューレで100%の水素ガスを吸引した場合、吸う時は、水素ガスは体内に入りますので、問題ありません。排気の場合は、40秒間に8 リットルを排気しますので、1分間に480 mLの水素ガスを発生した場合に、カニューレから排出される水素の濃度は4%になります。実際には、鼻から漏れ出る時にさらに希釈されます。1分間に600 mL以上水素が発生する場合は、別途安全性の対策を求めることにします。
また、念には念を入れて、火気厳禁としてください。
(電気製品としての保証)
なお、電気製品として、1年間保証である保証は必要で、それ以上使えると説明する根拠の書面の提出を求めます。