水素に関するQ&A

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Q: 分子状水素(H2)に作用する酵素はありますか?

A: H2に作用する一群の酵素は、ヒドロゲナーゼ(hydrogenase)と呼ばれる酵素で、ヒドロゲナーゼを持つ細菌があります。例えば、腸内細菌では、乳酸菌やビフィズス菌などのいわゆる善玉菌はヒドロゲナーゼを持っていませんが、いくつかの種類の腸内細菌にはヒドロゲナーゼがあり、H2を合成します。また、H2を代謝する細菌もあります。
ところが、哺乳類細胞には、ヒドロゲナーゼはありません。いくつかの哺乳類やヒトの遺伝子の全塩基配列が既に決定されていますが、ヒドロゲナーゼの遺伝子は見つからなかったので、哺乳類細胞には、H2に作用する酵素は存在しないと結論できます。そのため、H2がヒトの細胞でさまざまな効果を発揮するのは、酵素とは無関係です。

 

Q: 哺乳類細胞で、H2に作用する物質はあるのですか?

A:この問題は、水素健康医学の領域では最も重要な課題で、長らく未解明でしたが、昨年(論文は2023年)にヒドロキシ-Fe(III)ポルフィリンとH2が反応して、ヒドリド-Fe(III)ポルフィリンとなり、ヒドリド-Fe(III)ポルフィリンが反応を促進することがわかりました。これらは、酵素ではありません。

 

Q: H2は免疫作用を低下させますか?

A: 免疫作用は非常に複雑で、広い領域にかかわります。まず、侵入したバクテリアを殺す活性酸素をH2は減少させてしまうので、免疫機能の一部を減退させるのではないかと心配される方がいます。H2は、ヒドロキシルラジカルを減少させることが知られており、ヒドロキシルラジカルが侵入したバクテリアを殺すので、結果としてH2がバクテリアの侵入を許してしまうのではないかという考えです。しかし、実はバクテリアを殺すのは、ヒドロキシルラジカルではなく、次亜塩素酸(HOCl)です。好中球などの免疫細胞には、ミエロペルオキシダーゼと酵素があり、過酸化水素(H2O2)から次亜塩素酸が作られます。次亜塩素酸をH2は減少させることはないので、侵入したバクテリアの攻撃をH2が低下させることはありません。

 

Q:H2が免疫作用に作用することはありますか?

A: 免疫作用の一部に炎症があります。例えば、新型コロナ感染の死亡の原因は、サイトカインストーム=免疫作用の暴走=過剰な炎症作用です。炎症作用は、傷の治癒を遅らせますし、慢性の炎症は老化の原因でもあります。H2は炎症作用を抑制することが明らかにされています。H2は、炎症を引き起こすIL-6やTNF-alphaなどの炎症性サイトカインの合成を低下させることが明らかにされています。H2の有効な役割は、過剰な炎症を抑制することです。

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